Choice あなたはどれを選択しますか?

 お盆なので、ちょっとした企画をしてみます。
 (企画倒れになるかもですが……)

 選択肢は先着順で決定したいと思います。

―――

 この物語では、とある一人のニンゲンが登場します。

 そのため、物語の最後には、ニンゲン行動について選択肢を掲示しますので、行動を選択してください。

 あなたが選択した行動を元に、ニンゲンは行動を起こします。

 それでは、まずはこのニンゲンの名前、性別、年齢を決めてください。

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名前:ドン・ムラーノ
年齢:40歳
性別:男性

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 気温は40度に差し掛かるであろう日の昼、道路に沿うように立ち並ぶビル群の中のから、一人の男が太陽の下へと繰り出した。

 整えられた黒髪と皺ひとつないスーツに身を纏うその風貌は、誰がどう見ても仕事に勤しむ一人の中年男性であっただろう。しかし、40度に差し掛からんとする炎天下、誰一人として上着を着ておらず、腕をまくり、汗水を流しながら移動している人々を横目に、漆黒のスーツをしっかりと身に纏い、反面汗一つかいていない異様さに、周囲の人々は多少ではあるが、異質なものを見る目を向けている。

 だが、男は何を気にするでもなく、ただ一点を見つめ歩き出す。そして約3時間後、ビル群から住宅街へと景色が変わったころ、男は一つのごく平凡な家の前へと辿り着いた。

 男は、無表情のまま立ち尽くしている。

 どうしますか?
 A.呼び鈴を押す
 B.立ち尽くす
 C.そもまま玄関から入る
 D.その他

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A.呼び鈴を押す

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 男は呼び鈴を押と、家の中から一人の老婆が現れた。

「あら、いらっしゃい。どうぞ、中へお入り」

 老婆は口の端に皺を寄せながら、嬉しそうに手招きをしている。男は老婆の言動に従い、家の中へと入ってゆく。

「どうぞ座って、疲れたでしょう? ちょっと待ってね、今お茶を出すから」

 男は老婆の言われるがまま家の中を移動し、リビングへと通される。そして、テーブルの周囲にある椅子に座ると、男の前にお茶の入ったグラスが置かれた。

「それで、お名前は?」

 男は胸ポケットをまさぐり、「自己学習型ヒューマノイド1号機 ドン・ムラーノ」と記載されている一枚の紙を差し出す。

「……あらぁ、おかしな名前ねぇ。じゃ、これからはムラさんと呼ばせてもらうわね」

 老婆は無機質な男に対して、どこか嬉しそうに笑みを向ける。

 そんな老婆に対して、男は―ー
 A.笑顔を向ける
 B.無反応
 C.その他

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C.顔面パンチ

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 男はおもむろに立ち上がると、老婆の前へと移動する。

「あら、どうしたの?」

 男はその無表情を保ちつつ、老婆に向かって拳を振り下ろした。

「あがっ!?」

 男の拳により老婆は床へと吹き飛ばされ、その場に倒れ伏す。どうやら息ができないようで、かすれた声をあげながら、弱々しく男へと視線を向けた。

 男はその無機質な表情を老婆に向けながらーー
 A.追撃をする
 B.謝る
 C.家を出る
 D.その他

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D. 変身する

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 ピンポ-ン

 男が老婆を見下ろしていると、家の中に呼び鈴の音が響き渡る。男はその音に反応してか、自身の顔や腰、手や足先を揉んでゆく。

 すると、揉んだ箇所から徐々にその容姿は変化してゆき、約5分後、その姿形は先ほどまで立っていた男ではなく、何故か服装までもが先ほど殴り飛ばした老婆の姿に変化していた。

「なに……するつもり……?」

 男は老婆の声を無視して、玄関へと歩みを進める。

 玄関の扉を開くと、そこには30代半ばであろうエプロンを付けた女性が立っていた。

「佐藤さんこんにちは。今日も暑いですねぇ。いつもと変わりはないですか? 室内でも熱中症とかなっちゃう時期なので、ちょっと心配で来たんですが」

 男は親切心を前面に押し出す女性に対してーー
 A.殴り飛ばす
 B.老婆のふりをする
 C.無視する
 D.その他

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D.拘束する

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「そうですねぇ、暑いですねぇ。あ、さっき冷たいお紅茶を入れたんですけど、もしよかったら一緒にどうですか?」

 老婆と化した男は、まるでそうするのが当たり前化のように、しわがれた声をあげながら、女性に向かって話しかける。

「あら、紅茶を始められたんですか? この間、紅茶の茶葉をお持ちしたとき、『あまり飲まないから』と仰ってたからお好きでないかと思っていました」
「あの時、私も食わず嫌いだったな、と思って最近始めたんですよ。それで少し練習して、入れるのが上手くなったもんで、ぜひ味わってほしいな、なんて」
「うーん、でも……」

 男は女性に対して、笑顔を向けながら老婆の家へと誘導する。そんな男の態度に、女性は多少なりとも不信感を抱くが、男の見事な変身もあってか、その不信感の根拠を見いだせずにいた。

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「ほら、こんなところで立ち話をずっとして茶、暑いと熱中症にもなるっちゃうわよ? 人助けだと思って」
「でしたら……お言葉に甘えて、少しの間失礼しますね」

 少しの間迷った女性だったが、男の最後の一押しの何気ない言葉により家へ招かれることをする。そして男に招かれるがままに、女性は老婆の家の玄関を潜った。

「どうぞ、先に上がっていて」
「ありがとうございます」

 男は、女性を先へと進ませながら、玄関の鍵を閉める。そして、二度ほど確かに鍵が掛かっているかを確認した後、先へと進んでいる女性を後ろから羽交い絞めにした。

「がっ……なにっ!? 息がっ」

 女性は小さく悲鳴を上げるが、男により気道を潰されているため、かすれた声を絞り出す。しかし、男は女性の声に反応することなく、無言でその喉元からの酸素の供給を止め続ける。そして数分後、酸素の供給が止まった女性は気絶した。

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 男は老婆から元の男の姿へと姿かたちを戻し、気絶した女性を小脇に抱えながらリビングへと向かうと、先ほど殴り倒した老婆はすでに気を失っており、地面へと突っ伏していた。

 男は老婆と女性を丁寧に椅子へと座らせ、何処からか持ち出したガムテープを用いて、女性たちの手足や胴体を椅子に固定し始めた。そして、テーブルの上にあった台拭きと自身の身に着けていたネクタイを老婆と女性の口へと突っ込むと、その上から蓋をするようにガムテープでその口を覆った。

 男は未だ意識のない女性二人に対して
 A.目覚めるのを待つ
 B.暴行を加える
 C.家を後にする
 D.その他

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