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ハルと僕は隣の家に住んでいる。所謂、幼なじみというやつだ。
小学校からずっと一緒。誰よりも長い時間を共に過ごしているはずなのに。
何だか今日のハルは知らない人みたいだ。

「卒業したら、なかなか会えなくなるね。」
真正面を向いたまま、ハルがポツリと呟いた。
「え?でも、隣の家だし何時でも会えるよ。」
「でも、お互い忙しくなるし、きっと今みたいに会えなくなるよ。」
ハルははっきりとそう言いきった。
会えなくなる?
僕はあまりの衝撃に一瞬足をとめた。ハルはそんな僕に気づくことなく、どんどん前に進んでいく。
「大学生になったら、バイトとかサークルとか、やりたいことがいっぱいあるな。」
前方からハルの笑い声が聞こえる。
「ねぇ、ケンはバイトやサークルする?」
僕が来ていないことに気づいたのだろう。ハルは振り向きざまにそう尋ねてきた。ニコニコと笑う彼女。だけど僕は笑顔をかえすことができない。