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朔望 月

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家出少女と星の河
家出少女と星の河
# 純文学
朔望 月
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「俺が食わせてやってるんだよ!お前が家で楽してる間も、俺は汗水垂らして働いてんの!」 「はァ!?だからって浮気して良いわけ?ふざけんな!」 「だからッ、あれは浮気じゃないんだよ!遊びだって何回も言ってんだろ!!お前だって俺が居ない間、家事もしねえでパチンコ打ってんだろ! バレてないと思ってんのか!?」 「それ、はッ……べ、別に良いでしょパチンコくらい!ストレス発散してるだけで誰にも迷惑掛けてないし――」 激しい夫婦喧嘩の隅っこで、猫の人形を手に持った少女が一人、冷めた瞳で罵声の応酬を見つめていた。 少女の名前は朝比奈ルナ。月と書いてルナと読む、少し変わった名前の少女だ。ルナが見つめる先で、何度目か分からない喧嘩は、母の逃亡で幕が降りた。 父はルナに目を向けることさえせず、酒を呑み干しては布団でいびきを掻いている。 それを見つめたルナは呟いた。 「……そうだ。星を捕まえに行こう」

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